八匝水道の水

水道の豆知識

水道の豆知識

●おいしくなった水道水

 

水道水が「まずい水」と言われた原因の中にカルキ臭、カビ臭の異臭があります。汚れた水をもとに水道水を給水しているところでは殺菌力を高めるために塩素を多く使用したり、臭いを発生させる物質も多くあるため、特に感じます。昨今では「おいしい水」を給水するために国が定める水質基準を高いレベルでクリアする取組みをしており、安全でおいしい水を供給するために最新の設備を導入し、浄水場での徹底した検査体制をとっています。

 

 

●身体にとって良い水の量

 

私たち人の体は、成人で約60パーセントが水でできています。身体の中の水は体内の細胞に栄養分と酸素を運び、老廃物を尿や汗の形で排拙したり、発汗により体温調整を行うはたらきがあります。そのため身体の水分が足りなくなると健康や美容に悪影響を及ぼすことになります。
1日に成人が摂取する水の量として望ましい量としては2リットルと言われています。これは尿と便として排泄される水分が約1.5リットル、呼吸や皮膚の表面から自然に蒸発してしまうのが約1リットルの合計で約2.5リットルの水分が失われます。一方、身体に入ってくる水分については、食事の食物水分で約1リットル、代謝水(呼吸という代謝で生じる水)で0.3リットルです。よって、身体の外に出ていく水分が1.2リットル多いため、生命維持の上では1.2リットルの水を最低限飲んで補わなければなりません。更に健康の維持、アンチエイジング(抗老化)のためには、新陳代謝を活発することが重要ですので発汗を促進するためにも1.2リットル以上の水を飲むことが良いと言われています。

 

●硬度

 

「硬度」とは水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量をこれに相当する炭酸カルシウム(CaCO3)に換算して数値で表したものです。日本の水道水質基準では硬度は300mg/L(水1リットル中に炭酸カルシウムとして300mg)以下となっています。水道水の硬度は水源の種類に影響され、一般的に地下水のほうが河川水に比べ、高くなる傾向があります。ヨーロッパのように石灰質の地域を長い時間かけて通ってくる水の硬度は高く、一般に販売されているヨーロッパ産のミネラルウォーターの硬度表示を見ると高いものでは250mg/L300mg/Lのものもあり、「硬水」と呼ばれています。家庭において水道水の硬度が高いと石鹸の泡立ちが悪く、食器洗浄器やシャワーヘッドなどお湯を使用する機器にスケール(カルシウム、マグネシウムの結晶)が付着してしまいます。一方、日本の水道水の硬度は低く、「軟水」と呼ばれ八匝水道企業団の水道水は100mg/L前後の硬度です。硬度が低い水は、あっさりとして癖がなく、逆に硬度が高い水は、こくがあり癖のある味となります。日本では、おいしさの面から硬度の目標値10~100mg/Lが設定されています。

 

区  分 硬  度
軟  水 0~60mg/L
中程度の軟水 60~120mg/L
硬  水 120~180mg/L
非常な硬水 180mg/L以上

 

●塩素

 

日本の水道水は、塩素による殺菌方法が採用されており、水源地の水が汚染されているほど塩素量は多量に用いられます。そのため塩素を多く含んだ水はカルキ臭がします。水道事業においては安全でおいしい水の供給を行うために、家庭に供給される水道水には水質基準が設定されており、この基準に適合した水道水が供給されています。また、水質基準項目とあわせ、水質管理目標設定項目が挙げられており、項目の中においしい水の観点から残留塩素濃度は1mg/L以下に設定されています。塩素を100パーセント除去すればカルキ臭がなくなり、よりおいしい水になるのでしょうが、水道法では衛生確保のため塩素消毒を行うことがさだめられており、蛇口の遊離塩素の濃度は0.1mg/L以上残留することと定めています。

 

水は限られた資源です。大切に使いましょう。